検索してみるとそれは1980年か1981年のことになるようです。
TBSラジオで土曜日の夜午後9時頃からやっていたのではなかったかと思います。
「ヤングタウン東京・サタデーナイトカーニバル」という番組で、ヤングタウン東京というのはTBSラジオでは内容の変遷を経ながらも長寿の番組だったのですが、そのうちの小室等と吉田拓郎がパーソナリティをしていた時期のことです。
私が高校3年かまたは浪人中のことになります。
当時吉田拓郎がとても好きで、1978年はほとんど活動をせず『ローリング30』というアルバムを出すだけ、1979年は愛知県の篠島という離島でのオールナイトライブ、その後で「今までの歌は全部捨てる」と宣言をしていたちょうどその頃になります。
その「ヤングタウン東京」に田辺茂一という人がゲストとして出演しました。田辺茂一が紀伊國屋書店の社長であることは知っていました。べらんめぇ口調の江戸弁でちょっとうるさそうなおじいさんという印象でした。小室等の好きそうな文化人なのかなと思いました。
番組の中で小室等がこう聞きました。
「炭屋の片隅で始めた本屋が、日本一の本屋になるなんて、そんな時代というのはもう来ないんでしょうねぇ?」
すると田辺茂一はべらんめぇ調で、
「そりゃぁ、おめぇえ、何でも時代のせいにしてりゃぁ、そりゃぁ楽だわな」
26、27年前の記憶です。もしかしたらこれとは大分違ったやりとりだったのかも知れません。四半世紀以上の時間の中で私の心の中で脚色されてしまった記憶かも知れません。
でも今でも頭の中にあのときの口調のままでときどき再生されるんです。
「そりゃぁ、おめぇえ、何でも時代のせいにしてりゃぁ、そりゃぁ楽だわな」
まだまだ柔らかかった私の頭とか心に強く刻まれた言葉です。
それから私は努めて、時代とか社会とか世の中とか会社とか、何かそういうもののせいにすることはすまい、と自分に言い聞かせてきました。
田辺茂一の言葉は、ただただ頭の上から、「甘えてんじゃねぇよ」と叱咤する言葉で、それは言い訳を許してもらえない本質的な言葉ではないかと思っています。
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最近この言葉を知りましたが、忘れられない言葉になりました。